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cinema

「半落ち」 

半落ち
監督・脚本 佐々部清

出演 寺尾聡 原田美枝子 柴田恭兵

アルツハイマー病に冒され、13歳で逝った息子を忘れてしまうほどに記憶も思い出も失い、壊れていく妻・啓子。「せめて息子の事を覚えているうちに、母親のまま死にたい」と泣きじゃくる妻を扼殺した梶。事件前まで警察学校で教鞭をとっていた被疑者・梶の取り調べに当たる捜査一課刑事・志木は言う。「・・・・あなたを尊敬している若い巡査がいます。彼が言うには、あなたは列車事故の現場に出る教え子に『自分の親兄弟だと思って遺体を取り扱うように』と訓示したそうですね」。それほど篤実な、思いやり深い人が、なぜ?!だからこそこの優しい夫と病苦を抱える妻の“絆”の先に何が起こっていたのかを・・・確かめたいと思うのだった。
「・・・君は誰のために生きている?会社か?恋人のためか?」
「自分のためです!」
「・・・自分の、ためか。そうだよな・・・俺も、自分のために<グリニッカー橋・・・渡れ!>・・・だ」
 検事・佐瀬と地方支局の記者・洋子がやり合う。
 20代の洋子は、疑うことなく、自分のために懸命に生きている。
たとえ屈辱感にまみれても、泥沼の恋に足をすくわれても。そんな彼女を誰が否定できるだろう。左遷された地方検察庁で、自身のキャリアと家庭生活に屈託を抱え生きる40代の佐瀬もまた。
 だが、梶の謎を追ううち、2人は「自分のために生きる」、その当たり前に見えた生き方をやけに切なく感じてしまう。『半落ち』に仕組まれた“合わせ鏡の見事さは、登場人物はもとより観る者を巻き込んで、自分達の<命>のありよう見つめさせるのだ。
                ●
 人は何を支えに、何を励みに、生きるのか。
 人が人として、輝いて生きるための“よすが”とは・・・・・・・・・・・。
 沈黙する梶に、志木が投げかけた「言わないのは、あなたが嘘をつけない人だからだ。」という言葉。そこに示し出された<嘘>は。私たちの魂を根源から揺さぶる!。

自分は誰のために生きているのか。
自分は何のために生きているのか。
ずっとそんなことを考えながら観ていた。

息子を失った悲しみ、アルツハイマーで壊れていく妻への思い。

自分が抱えてる病気、郷里にいる両親、いずれ両親も病むときがくるだろう。
ボケてしまうかもしれない。

切ない思いが痛いくらいに胸に刺さった。

    観た日2004・1・30


「半落ち」公式サイト
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2008/04/27 Sun. 13:05 | trackback: -- | comment: -- | edit